1.型描き
薄い竹紙(ちくし)に、細かく溶いた桐炭で絵柄の輪郭や線・点などを描きます。
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MAMEBAKO
加賀の伝統技巧が
菓子に華を添える。
伝統工芸「九谷焼」。
その技術と楽しさを
手にとる喜びに。
まめや金澤萬久の豆菓子を入れる紙器「豆箱」には、季節の花や動物などが繊細な筆使いによる手描きで描かれています。そこには石川県・加賀地方に江戸から続く「九谷焼」の伝統技法が使われており、鮮やかであたたかい風合いが、パッケージとしての役割を超え、工芸品としても親しまれています。
– STORY 1 –
江戸前期に大聖寺(現・加賀市)藩主の肝入りから窯が築かれ始まった「九谷焼」。一度廃窯したものの、江戸後期には再興し、明治以降には海外輸出も含む一大産業となりました。産業としてだけでなく、美術品として評価される作品を産み出すまでの品質となり、現代では世界でも「ジャパンクタニ」と知られるほどの有名な焼き物となっています。
九谷焼の特長はなんといっても美しい色彩の絵付けです。九谷五彩といわれる緑・黄・紫を主とし、それに赤・紺青を補色とした5つの基本色によって描かれる技法は九谷ならでは。当店の豆箱も色鮮やかな配色と華麗な絵柄が目を楽しませてくれます。
– STORY 2 –
薄い竹紙(ちくし)に、細かく溶いた桐炭で絵柄の輪郭や線・点などを描きます。
竹紙の桐炭で描いた面を無地の豆箱に軽く押し付けると、うっすらと線が転写されます。
薄くついた桐炭の線を鉛筆でなぞり、下絵をはっきりさせます。九谷焼では呉須(ごす)という顔料を使います。
筆で色付けをします(骨描きしないこともある)。乾いたら桐炭を拭き取り、落款(らっかん)を捺して出来上がりです。
– STORY 3 –
これまで数えきれないほどの絵柄の豆箱が登場しました。春には桜やチューリップ、夏にはひまわり、秋には紅葉、冬には金沢名物の雪吊りなど。それぞれの店舗では店舗限定の絵柄も登場しております。
すべての絵柄を考案してくださるのは九谷の絵作家・中くみこさん。身近な草花を独特の繊細なタッチで表現する技法は金沢らしく上品で、ときに可愛いらしい動物たちの絵柄は豆箱コレクターを誕生させるほど愛されています。
四季の国・日本の風情や景色を、手描き豆箱を通して感じていただけるよう、これからも日々の移ろいを繊細な筆で表現していきます。
手描き豆箱に詰めた美味しい豆菓子の紹介はこちら。